北海道八雲養護学校
 

水泳学習への取り組み

水には浮力・水圧・水流・抵抗など様々な作用がある。
こうした水の特性を活用することで、

  • 手や足を自由に動かせる範囲が広がる。(身体を大きく動かせる)
    → 身体機能の維持向上(四肢・体幹のトレーニング)
  • 肺や胸郭などを大きく動かせる。(呼吸が深くなる)
    → 心肺機能の維持向上(肺や胸郭の発達を促す)
  • 陸上では身体を動かしにくいけど、水中ではたくさん動ける!
    → 心理的側面の安定・向上(普段よりも動かしやすい)

ハロウィック水泳法の特徴

  1. 浮き具を使わない
    児童生徒の実態に合った、必要な分だけの介助が可能になる。 
     
  2. マンツーマンで行う
    児童生徒とコミュニケーションを図りながら活動を進め、児童生徒に適したペースでゆっくり教えられる。
  3. ゲームプログラム中心に楽しむ
    「水の楽しさ」を感じてもらえるよう、歌を歌いながら活動したり、水流を生かしたりして、楽しみながら活動する。

ハロウィック(Halliwick)水泳法について

 ジェームズ・マクミランによって、1949年ロンドンにあるハロウィック養護学校で始められた水泳指導法です。英国水泳療法協会(AST)によって活動を広げてきました。
 全ての人達、特に心身に障害を持つ人達が、水中活動に参加し、水中で自立して泳ぐことができるようになるための水泳指導法です。
 水中活動がもたらす効果に裏付けられ、水中活動を学習していくための基礎を提供します。その効果は身体的な面、個人的な面、レクリエーションの面、人間関係の面、治療的な面にわたっています。ハロウィック水泳法は水治療法の技法にも影響を与え、特別な治療法へと発展しています。


安心・安全な水泳学習に向けた職員研修

  1. 職員事前研修
    水泳学習の概要の説明や、昨年度の授業の様子を見ながら内容や配慮点等を確認
    ビデオやスライドを見て水泳学習の概要を確認
  2. 気道クリアランス研修
    八雲病院に協力を依頼し、緊急時の対応として、カフアシストの使用法や徒手での排痰などの研修
    徒手での排痰方法の実習
  3. トランスファー研修
    学校からプールまで移動するためのタクシーへの乗降方法やストレッチャーでの移動などの研修
    車への移乗方法の確認 
  4. 着替え研修
    八雲病院に協力を依頼し、児童生徒の衣服の着脱方法の確認 
  5. 水泳実技研修
    ハロウィック水泳法研修受講者により、当日の学習の流れに沿って実技の研修